約10年間勤めた大企業を辞め、少人数のベンチャー企業へ転職しました。
転職を考えるとき、多くの人が気にするのは年収や福利厚生、年間休日などの条件ではないでしょうか。
もちろん、私もまったく気にしなかったわけではありません。
ただ、転職を決めた時点で、最初のうちは年収が大きく下がる可能性があることを覚悟していました。
それでも転職したのは、目先の収入以上に、これから得られる経験や将来の可能性に魅力を感じたからです。
そして、その決断を支えてくれたのが、これまで続けてきた貯蓄と資産形成でした。
今回は、なぜ収入が減る可能性を理解しながら転職を決断できたのか、実際の経験を振り返ってみたいと思います。
1.年収よりも、会社と自分の将来性に期待した
転職したかったのは、今の仕事が嫌だったからではない
前職では約10年間、多くの経験を積むことができました。
安定した環境で働けたことにも感謝しています。
ただ、長く働くうちに、これから先の働き方について考えるようになりました。
このまま同じ環境で経験を積み重ねるのも、一つの選択肢です。
一方で、まだ知らない仕事や新しい環境に挑戦してみたいという気持ちもありました。
私の場合、転職は今の仕事から逃げるためではなく、将来の選択肢を増やすための挑戦でした。
会社の成長と、自分自身の成長を重ねて考えた
転職先を選ぶうえで大きかったのは、会社の将来性です。
すでに大きく成長した会社ではなく、これから成長していく会社に関わってみたい。
その過程で、今までとは違う経験ができるのではないかと考えました。
また、将来的には会社員として働くだけでなく、自分で事業を行うことも選択肢に入れたいという思いがありました。
新しい仕事を通じて専門的な知識や経験を積み、将来の可能性を広げたい。
さらに、成果を出せるようになれば、収入を伸ばせる可能性もあります。
もちろん、会社が必ず成長する保証も、自分が成功する保証もありません。
それでも、会社の将来性、新しい経験、将来の独立の可能性を総合的に考えたとき、挑戦する価値があると判断しました。
2.転職1年目の収入減少は覚悟していた
資格があっても、すぐに成果を出せるとは限らない
新しい仕事に挑戦する以上、最初から前職と同じように成果を出せるとは考えていませんでした。
たとえ関連する資格を持っていても、実務で成果を出すには経験が必要です。
仕事の進め方を覚え、顧客との関係を築き、少しずつ実績を積み上げていく。
特に成果が収入に反映される仕事では、最初のうちは思うように収入が伸びないこともあるでしょう。
もちろん、専門性を生かして年収アップを実現する転職もあります。
ただ、私の場合は、これまでとは異なる環境に挑戦することを優先していました。
だからこそ、転職直後から収入が増えるとは期待していませんでした。
最初は、目先の収入よりも経験を積む期間になるかもしれない。
そのくらいの気持ちで転職を決断しました。
給与や休日より、何を得られるかを重視した
転職前に確認したのは、基本給やインセンティブ制度、手当、年間休日、休日の取り方など、基本的な条件でした。
福利厚生を細かく比較したわけではありません。
もちろん、待遇が良いに越したことはありません。
ただ、すべての条件を前職と同じか、それ以上にしようと考えていたら、今回の転職は難しかったと思います。
私にとって大切だったのは、転職によって何を得られるかということでした。
年収や休日を優先する人もいれば、仕事のやりがいや将来性を優先する人もいます。
どちらが正しいということではありません。
自分が何を求めて転職するのか。その軸がぶれないことが大切だと思います。
3.100万円の生活防衛資金が、転職する勇気をくれた
生活費の約半年分を、使わないお金として確保していた
転職を決断した当時、我が家では約100万円を生活防衛資金として確保していました。
目安にしていたのは、毎月の生活費の約半年分です。
このお金は普段の生活費や投資に使うものではなく、万が一のときに備えて、原則として手をつけないお金でした。
当時は、比較的預金金利が高かったあおぞら銀行の口座で保有していました。
投資信託などの値動きがある商品ではなく、必要なときに引き出せる預金として確保していたことがポイントです。
仮に転職後の収入が想定より少なくても、すぐに生活が苦しくなるわけではない。
そう思えるだけの備えがあったことが、精神的な余裕につながっていました。
生活を守るお金と、将来のために増やすお金を分けていた
私は転職を考える前から、投資による資産形成も続けていました。
ただし、当時の生活防衛資金100万円は、投資に回さず預金で確保していました。
生活を守るためのお金と、将来に向けて資産を増やすためのお金は、役割が違います。
投資資産は長期的な成長を期待できる一方、必要なときに価格が下がっている可能性もあります。
だからこそ、万が一のときに使うお金まで投資に回すのではなく、生活防衛資金を別に確保しておくことが大切だと考えていました。
現在は資産配分も変わり、以前より投資の比率を高めています。
当時の生活防衛資金として確保していたお金の一部も、現在は投資信託の購入に充てていますが、現金・預金も引き続き保有しています。
資産運用の方針は、家計や資産状況によって変わるものです。
ただ、転職当時の私にとって、すぐに使える100万円の預金があったことは、大きな安心材料でした。
半年分で十分かどうかは、人によって違う
生活防衛資金は、必ず半年分でなければならないわけではありません。
例えば、収入が不安定になる可能性が高い場合や、家族の生活を一人で支えている場合には、1年分を準備するという考え方もあります。
逆に、毎月の固定費が少なく、収入の見通しが立てやすい家庭なら、必要な金額は変わるでしょう。
大切なのは、何となく貯めるのではなく、収入が減ったときに、どのくらいの期間生活を維持できるかを把握しておくことです。
私の場合は約100万円、生活費の約半年分という金額が、転職への挑戦を支える一つの土台になりました。
4.家族がいるからこそ、働き方とお金の準備が必要だった
独身か家庭があるかで、転職の条件は変わる
転職を考えるとき、年収だけでなく休日や勤務時間も大切です。
特に家族がいる場合、働き方が変わることで家族の生活にも影響します。
例えば、夫婦のどちらかが土日休みでなければ子どもの世話が難しい家庭もあるでしょう。
一方、夫婦ともに休日が不規則で、予定を調整しながら生活している家庭もあります。
我が家は後者に近く、休日が変わることについては比較的調整しやすい状況でした。
そのため、年間休日や曜日の違いは、転職を諦めるほどの条件にはなりませんでした。
ただし、これは家庭によって大きく異なる部分だと思います。
自分一人で決められることと、家族と相談して決める必要があることは違います。
家族の不安を減らすためにも、お金の準備は役立つ
転職によって収入が減るとなれば、家族が心配するのは当然です。
特に住宅費や教育費など、毎月必要なお金がある場合はなおさらでしょう。
そんなとき、単に「大丈夫だから」と伝えるだけでは、不安は解消されません。
でも、毎月の生活費がいくらで、収入がどこまで減っても生活できるのか、何かあったときに使える貯蓄がどれくらいあるのか。
こうしたことを具体的に説明できれば、家族も判断しやすくなります。
もちろん、お金を貯めればすべての不安がなくなるわけではありません。
それでも、少なくとも経済的な不安を小さくすることはできます。
私自身、これまで資産形成を続けてきたことが、家族のいる中で転職を決断する大きな支えになりました。
5.転職で大切なのは、条件よりも自分の軸
ここまで、年収が下がることを覚悟して転職した理由を紹介してきました。
私が大切にしたのは、会社の将来性、新しい経験、そして将来の可能性です。
ただし、これは私自身の価値観です。
収入を増やすために転職する人もいれば、家族との時間を増やすために転職する人もいるでしょう。
それぞれに正解があります。
一方で、少し気をつけたいのは、「今の仕事がつまらないから、とりあえず転職しよう」という考え方です。
もちろん、今の仕事に不満があること自体は悪いことではありません。
ただ、何を変えたいのかが曖昧なままだと、転職後も同じような不満を抱えるかもしれません。
転職によって何を実現したいのか。
そのために、何を優先し、何を受け入れるのか。
自分の中で判断の軸を持っておくことが、後悔しない転職につながるのだと思います。
まとめ|お金を貯めることは、人生の選択肢を増やすこと
私は、転職によって年収が下がる可能性を覚悟していました。
それでも挑戦できたのは、将来の可能性に魅力を感じたことと、これまで続けてきた資産形成があったからです。
転職を考えるとき、すべての条件を良くする必要はないと思います。
大切なのは、自分が何を優先したいのかを明確にし、その選択を支える準備をしておくことです。
もし転職を考えているなら、まずは生活費を把握し、収入が減った場合の家計を試算してみる。
そして、自分が本当にやりたいことは何なのかを考えてみる。
そうした小さな準備が、将来の大きな決断につながるかもしれません。
お金を貯めることは、ただ数字を増やすことではありません。
自分や家族の人生に、選べる未来を増やしていくこと。
私はそう考えています。
昨日の自分より、一歩前へ。
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